雨が降る角度に人を傾けて濡れから守るサークル 雨ニハ負ケズ
傘をさしているのに雨が降り込んでくること、ありませんか? 僕は傘が悪いのではないと思います。傘の持つポテンシャルを引き出す工夫が必要だと考えました。
ー 雨に負けた話
その日は梅雨の晴れた日のことだった。
梅雨特有の肌にまとわりつくような暑さを感じながら僕は家を出た。
真夏の目眩がするような鋭い日差しとまではいかないが、
降り注ぐ日の光は夏はもうすぐそこだと言わんばかりだ。
ーそういえば、夕方から雨になるって言ってたっけ。
今朝、惰性で聞き流していたニュースの天気予報を思い出した。
家に一旦戻り、折り畳み傘をひっ掴んで足早に再び外に出る。
マンションの管理人さんと軽く挨拶を交わし、早足で駅に向かった。
その日は久々に人と名駅まで出かける約束をしていたのだ。
もちろん世界を騒がせてるヤツには気をつけながら。
さて、そろそろ書くのも面倒くさくなってきた。時間を飛ばすとしよう。
夜になり、解散して帰路につく。ぽつぽつと雨が降ってきている。
最寄り駅に着く頃には本格的に降ってきていた。
だが、何も問題はない。
なぜなら僕には傘があるのだ。雨など怖くない。
そして靴も雨が滲みにくい素材のものだ。
さあ、帰るとしよう。
対策は完璧かと思えた。だが、誤算が一つだけあった。
「風がまあまあ強い。」
雨が斜めに降っているのだ。
傘を嘲笑うかのように滴が飛び込んでくる。
もちろん傘だってただではやられない。斜めに傾けて防御面積を広げる。
それでも足が守りきれない。どうしたって防御の穴ができてしまう。
家に着いた頃には、見事にズボンの前半分だけが濡れて色が変わっていた。
シュール。何これ。ウケる。
そう思った。
傘はその瞬間、風と雨の前に敗北した。
人類の道具が自然に屈した。やはり、自然には勝つことなどできないのだろうか。
否、そんなことで諦めてはならない。
人類はこれまであらゆる知恵と工夫で困難を乗り越えたではないか。
きっと突破口はあるに違いない。
ーそうか・・・!!
ー 雨が降る角d(以下略 サークルの誕生
アイデアはこうだ。
雨が垂直に降っている時は傘をさせばほぼ100%雨を凌ぐことができる。
つまり、人+傘によって成される直線が雨滴によって成される直線と平行である状態を
保てれば、傘の持つポテンシャルを最大限に活かすことができる。
そうすれば、どんな雨にも傘はほぼ100%雨をしのぐことができる。
これを実現するにあたって
- そもそも雨の降る角度が計算できるか
- どうすれば平行が保てるか
この2つが重要となる。
まず1つ目、調べてみた。
できそうだった。
では、2つ目。
まるごと直線を傾ければいい。簡単だ。
こうして、生まれたのがそう。
雨が降る角度に人を傾けて濡れから守るサークル 雨ニハ負ケズ