ハタノ総合カタログNo.35
総合カタログマイナーチェンジプロジェクトのディレクション 制作期間:2020年7月〜8月(約1ヵ月間)
No.34は新製品の掲載以外は、表紙のリニューアルのみでした。
ハタノ製作所のコーポレートカラーを全面に押し出したデザインになっています。
「No.33は私的には奇策でしたので、今回は正攻法でいきませんか?」と提案させて頂きました。
No.34では「製品カタログ」という本質に立ち戻り今後のカタログの方向性を落ち着けたいという考えがありました。
しかし、No.35で私のその考えとは真逆の、驚きのオーダーが届いたのです。(笑)
「全面黒で、中面も黒でお願いします」
「くっ、、黒ですか!?」
他社のインテリアカタログを見てインスパイアされたそうです。
デザインとしては、素直にかっこいいと思います。
浴槽接続金具をこのように表現したものはないと思いますし、私の経験でも全面黒というのはやった事がありませんでした。
当初の私のねらいとは違う方向性にはなりましたが、結果的にいい経験になりました。
商品紹介ページでは、背景が黒であることから、見にくくならないよう意識しました。
具体的には、情報量は最小限に抑え、足らない部分はひとつひとつの製品掲載ページにまわしました。
出来るだけすっきりさせて、読み手の読む気が失せてしまわないように、いつも以上に文字間等の細かい箇所にも配慮し、制作しました。
当初、「中面も全て黒に」とのオーダーでしたが、製品が見にくくなることから、「ひとつひとつの製品を載せるページからは従来どおり白でいきましょう」という提案でご理解頂けました。
総合カタログNo.35で難しかった事としては、やはり「黒」であるという事です。
単純に「黒」といっても印刷するとなると、職人さん泣かせの非常に難しい色なのです。私も「黒」の配合には悩みました。
色校時に、単純にK100では「黒」の深みがやはり足りません。
かといってリッチブラックにしてしまうとインクが乗り過ぎてベタついた紙面になってしまう等で、色々試した結果が上記画像の配合でした。
印刷工程においても初めての気付きが多く、そういった意味でもいい経験になったプロジェクトでした。