×北海道大学CoSTEP『オンリー・ユー』
北海道大学CoSTEPとのコラボ企画第3弾。今回のテーマは「ゲノム編集」。新たに誕生した受精卵にもし重大な疾患、障碍が見つかったら貴方はどうするか。答えのない選択に立たされた二組の夫婦を描き、舞台芸術として、ドラマとして、科学コミュニケーションとして深く問いかける作品となった。
作品について
『私たちが機械だった頃(2019)』、『インヴィジブル・タッチ(2020 札幌劇場祭優秀賞)』に続くコラボレーション企画第3弾。
今回のテーマは「ゲノム編集」。原案『二重らせんは未来をつむげるか?:討論劇で問うヒト受精卵へのゲノム編集の是非』(中角直毅・長倉美琴・種村剛(著)・石井哲也(監修) 2018年)を元に弦巻楽団が新作として上演!!
公演概要
出演
塚本奈緒美
井上嵩之(劇団・木製ボイジャー14号)
佐藤みきと
赤川楓
佐久間泉真(弦巻楽団)
日程
2021年11月10日(水)〜11日(木)
全2ステージ
会場
札幌文化芸術交流センター SCARTS SCARTSスタジオ
スタッフ
作・演出:弦巻啓太
原 案:『二重らせんは未来をつむげるか?:討論劇で問うヒト受精卵へのゲノム編集の是非』(著:中角直毅・長倉美琴・種村剛、監修:石井哲也、2018年)
照 明:手嶋浩二郎
映像制作:花田亮(エゾノデンゲン)
宣伝美術:みきと
制作協力:ダブルス
主 催:一般社団法人劇団弦巻楽団、北海道大学高等教育推進機構オープンエデュケーションセンター科学技術コミュニケーション教育研究部門(CoSTEP)
共 催:札幌文化芸術交流センターSCARTS(公益財団法人札幌市芸術文化財団)
助 成:2019年度科学研究費助成事業「演劇を用いた科学技術コミュニケーション手法の開発と教育効果の評価に関する研究」(課題番号 19K03105)、2020年度公益財団法人日立財団 倉田奨励金「演劇を⽤いた科学技術コミュニケーション⼿法の開発および参与者の先端科学技術の受容態度の変容に関する調査」(共に研究代表者 種村剛)
舞台写真
メッセージ
弦巻啓太(当日パンフレット「ごあいさつ」より)
CoSTEPさんとのコラボレーション企画も今回で3回目となりました。最初は映像での作品制作から企画がスタートし、お話が進むうちにこのような状況下ではあるが一般公開も行うことを決断しました。こうして無事に開催できることをまずは喜びたいと思います。
今回も脚本の制作中に何度も難しさにぶつかりました。物語を始める難しさ、物語を進める難しさ、物語そのものの難しさ。個人的には演劇を始めて約30年、今回初めて書いた要素もあります。はい、意図して取り上げてこなかった要素です。そこを含めて受け止めてもらいたいなと制作者としては思ってます。
種村さんをはじめとし、この作品の制作を共に作り上げてくださった皆さんに感謝いたします。原作を制作された皆さんに、そしてエチュードに始まり、たくさん議論しこの脚本の言葉を練り上げてくれた出演者5人に感謝します。どれか一つの要素が欠けても、この作品は生まれませんでした。
そして今日客席に足を運んでくれた皆さんに。皆さんが作品を様々な意味で楽しんで下さることを、この作品の感想を様々な形で様々な人に交換してくださることを願います。
ごゆっくりお楽しみ下さい。
種村剛(当日パンフレット「ごあいさつ」より)
北海道大学CoSTEPは科学技術コミュニケーションに取り組む、北海道大学の教育・実践・研究組織です。演劇を用いた科学技術コミュニケーションの実践、弦巻楽団とのコラボレーション企画も『私たちが機械だった頃』(2019年)、『インヴィジブル・タッチ』(2020年)についで3回目となりました。
「ヒト受精卵に対するゲノム編集」をテーマにした本作品は多くの方々の協力で成立しました。まず原案となる『二重らせんは未来をつむげるか?』を作成したCoSTEPの受講生と監修を引き受けて下さった石井哲也さん(北海道大学 教授)。今年5月『二重らせん〜』を使ったディスカッションに参加してくれた学生の方々。そしてワークショップ「哲学対話で考えるデザイナーベイビー」を中心となって企画した鹿野祐介さん(大阪大学)と哲学対話に参加した皆さん。ヒト受精卵に対するゲノム編集について脚本を監修してくださった詫摩雅子さん(日本科学未来館)。本当にありがとうございました。
作品中の言葉に「強さ」があるならば、それはゲノム編集についてのディスカッションの中で出てきた実感を伴った言葉が編み込まれているからだと思います。観客の皆様も、アンケートを通じてになりますが、是非この作品の感想をお寄せください。皆さんからいただいた言葉が、この作品の強度をより高めていきます。そのためにも、この新型コロナ感染症流行が収束し、観劇後に気楽に皆さんと作品についておしゃべりができるようになることを願って止みません。
最後になりましたが、本日はご来場いただき本当にありがとうございました。どうぞ演劇をお楽しみください。