1年 / クライアントワーク:CDジャケット・盤面・各楽曲のグラフィック制作

OVERVIEW

アーティスト活動兼、専門学校非常勤講師をしている方から、CDジャケット・8曲分のメインビジュアル、歌詞ページ・盤面の制作のご依頼をいただき、デザイン担当として携わらせていただきました。

YEAR 2022

依頼内容:マッスルNTTのアルバムのメイングラフィック・各楽曲のイメージグラフィック・盤面

  • フィジカル版制作→ZINE風に
  • ZINEの表紙はメイングラフィックと同じ物
  • 中のページに歌詞と各楽曲のグラフィックを載せる

CDジャケット / メイングラフィック

クライアントのイメージ

  • 新たな境地に立つようなイメージ
  • 花のイメージ+開花 花びらが開花し、新たな生命へのアクションがはじまるようなイメージ
  •  開いた花から何かパワーがというかエネルギーが出てくるような感じでそれが中央に集まっているみたいな感じ


制作意図

  • メインイメージをカーネーションにし、花言葉の感謝で依頼していただいた吉田先生への感謝の気持ちをひそかに込めた。
  • メインイメージに花を用いることで、開花・パワー・元気・明るいなど前向きなイメージを持たせた。
  • 花からつぼみのようなモノを出すことでダイナミックでエネルギーを感じられるように意識した。
  • マッスルNTTはグラデーションのピンク系・ブルー系・パープル系を乗算にして不透明度も一部下げ、それぞれ重ねることでメタリックにも見えるなど、見方によって平面の文字だということを正解とさせないことで、好奇心を煽りマッスルNTT自体にも興味をもってほしいという願いを込めた。
  • リソグラフ風の加工・色数を抑えた3色でレトロ感を出し、曲の雰囲気とどこかギャップを感じさせつつ、レトロ感に捉われないように彩度の高い原色寄りの色を選び、曲本来の雰囲気に近くなるようにした。
  • NEO FRONTIERは白字の後ろに背景と同じ青色の崩れすぎないマスキングテープをイメージしたパスを配置することで、花びらの上でも白字を目立たせるようにし、花びらのリソグラフ風と合わせて紙モノを連想させるようにした。


01.Give & NoTake

制作意図

  • メインカラーをとーちゃん・かーちゃんに重きを置き、男女の色をつけて区別させるようにした。
  • 色んな言葉を唱えてをそれぞれのカラーのパールで制作し、言霊(玉)をイメージしさせるようにした。
  • メインイメージを天秤のようなものを彷彿とさせ、二人の言葉(各パール)に揺れ動く子供自身(天秤)をイメージした。
  • また、迷える子羊に着目してもバランスの不安定なオブジェクトが合致させるようにした。
  • メインイメージを支える瓶・壺は3人の拠点、つまり家をイメージした。
  • シルバーのオブジェクト二対の間にある離れることのできない子供として黒のオブジェクトを配置し、離れて感じる業務感とはあえて逆の意味だが関連させるようにした。


02.AQMA

制作意図

  • 悪魔特有の毒々しさを鉄状のモチーフで刺々しいものをイメージし、言葉・言霊(玉)がそれらのマイナスなイメージのモチーフに囚われているようにイメージした。
  • 脅されから怖い・不気味を連想させるように暗めの雰囲気にし、歌詞とのかけ離れすぎないギャップを意識した。
  • 中心をピンク系から黒へのグラデーションにすることで、愛した言葉の本性における愛と本性の複雑な絡み合いをイメージし関連性を持たせるようにした。
  • 歌詞ページのグラフィックは消えてく姿の本性・守るべきものは何もなくなっていくよから儚げのあるぼんやりとしたやわらかさが感じられるように意識した。
  • あらゆる出来事の嘘でどちらのグラフィックイメージが真の姿なのか二択になるように色を変えた。
  • また、お前の言葉は悪魔と思いきや堕天使だったからメイングラフィックと歌詞ページグラフィックでイメージが異なるようにした。


03.プラットフォーム

制作意図

  • 曲名のプラットフォームに合わせてプラットフォームをモチーフにし、全体的に海を思わせるようにブルー系で統一して、場面を自由に捉えられるように夜明け前or黄昏時とも取れるようにした。
  • 周辺は駅特有の線路ではなく、歌詞を見ると海を連想させるので周りは海に囲まれているようにした。
  • プラットフォームのその下に今はない記憶のトンネルから、メイングラフィックでは穴が空いているようにし、歌詞ページではその穴が埋まって、くぼみだけが残っているようにした。
  • プラットフォームの先にあるトンネルは4行目・5行目の歌詞に沿って先が続くことをイメージした。


04.Freaky Time

制作意図

  • サンセット・ムーンライト・トワイライトに着目して、くすんだ優しい色合いのグレー味のあるブルーとイエローのグラデーションにし、日の移り変わりをイメージした。
  • メインイメージはアブラカタブラ 呪文を唱えるで魔法をイメージし、魔法使いの帽子とも取れるオブジェクトからマジックである帽子から物が飛び出るような光景をイメージした。
  • また、右も左も何もわからずから四方八方に散らばる様を意識した。
  • メインイメージが立体的なので手前に転がっている球体で奥行き感を出し、平面でなく一つの空間になるようにした。


05.不要な聖火ランナー

制作意図

  • メインイメージは花が自ら咲かせるようにから全体的に花を意識したモチーフにした。サイドの卵状のモチーフは葉っぱのイメージ。
  • また、銅状の立体物は、あえて非対称な形にすることで花びらが風になびく様をイメージした。
  • 不要な聖火ランナーの聖火ランナーに重きを置き、聖火に見立てたオブジェクトの周りにあかりを灯す旅の道筋をイメージしたモノを回転させコピーすることで、淡々とくり返す中で見つけるヒストリーとも関連性を持たせた。
  • そしてそれらが重なり続けることでいく通りのエピソードが紡がれ続けるイメージを持って制作した。
  • また聖火に見立てたオブジェクトが銅状の檻とも取れるイメージに囚われているような・隠れているように配置することで、不要な聖火ランナーの不要要素になるようにもした。
  • 歌詞ページのグラフィックでは、花びらの1枚を表現し、加えて、あかりを灯す旅の旅路に起こるエピソード・ヒストリーの1つをピックアップする感じでイメージした。
  • いく通りのエピソードが煌めき出すから右下にある輝くビー玉をモチーフにした。
  • 全体的な色味は、聖火の炎にあたる色をイメージした。


06.ハーモニースキップ

制作意図

  • 君と歩いた小さな草原から、メイングラフィックの背景のグラデーションを空の青・草原の黄緑・中心に白を入れて2色を分けることでそこにあるのは眩しい光景の眩しさにあたる部分を表現した。
  • 丸たちを一見何気ないように配置しているが実は法則性があって増える重なる 何気ない気持ちに関連付けた。
  • 不安混じるから見方によっては柔らかい雰囲気で可愛らしさがあるが、不安を煽るような無機質感も感じられるように丸で統一し、全体的に同系色を使うようにした。
  • 増える重なる 小さな気持ち 与える離れる そのまま進めからメイングラフィックの全体的なイメージを固め、まさに丸が増えたり重なっていたり、気持ちに見立てて小さくしたり、丸が進んだのを表現するため一部丸以外の表現も加えた。
  • 表紙ページの背景は空もいつかは澄み渡るからメイングラフィックの背景から移り変わった光景を意識させ、あえて角度を変えることで空らしさをなくし、考えを限定させないようにした。


07.アルティメット俺たち覚醒

制作意図

  • アルティメット俺たち覚醒の覚醒を全体的なメインイメージのテーマにし、呼び覚ます・いにしえの呪文・本当の姿・燃え上がるこの想いを連想させるようなイメージにするため、神々しくなるように意識した。
  • コントロール出来ずからメインイメージから鋭く尖る棘のようなモチーフがいくつも飛び出ていることで、制御の効かない得体の知れない力であることイメージしている。
  • また、ネオンフロンティアへと導く左手に現れた紋章とも解釈できるように意識した。
  • 真の五感研ぎ澄まされる 第三の眼が開くからメインイメージの中心部に、よく見ると目と捉えることができるような模様にし、五感を研ぎ澄ますことで開眼させる様をイメージした。
  • メインイメージの中心部に向かって渦巻き状に茶色のパスを配置することで引き込んでいく・数多の化身を連想させるようにし、中心の渦に向かって飲み込まれるイメージで制作した。


08.KOKUGO neo frontier ver

制作意図

  • KOKUGO=国語でその中の古典を連想させる歌詞から和をテーマにしつつも曲のテイストとあった雰囲気にするため、落ち着いた色を使用せず鮮やかな色合いになるように意識した。
  • 背景の柄を日本の伝統模様である一松で揃えたが、あえて鮮やかな色の組み合わせと、柄同士を隙間なく並べることで曲調に合うようにした。
  • 紐をモチーフとした立体物は組紐をイメージし、背景で使用した色に加え緑を取り入れることで要素をあえて増やした。


盤面

制作意図

  • アルバムのメイングラフィックと合わせて、メインイメージの花を大きく配置して、インパクトのある見た目にした。
  • 花のイメージに集中させたいので、色数を抑えて情報量を少なくした。

制作を終えて

学校の非常勤講師とは言え、いちアーティストといちグラフィックデザイナーとして、1年生ながらにクライアントワークを初めて体験さしていただいたので、かなりスキルアップができた機会でした。

入稿までは携わっていませんが、何度も修正と相談を重ね、自身が納得のいく制作ができたことに加え、何よりクライアントの方にも喜んでいただけたことで、改めてデザインとは自分がどう思うかではなく相手がどう思うかを考えて制作するという一つの壁を早い段階で少しではありますが、越えれたのではないかと思います。

そして、「自由に制作しても良い」がなぜそうなったのか、など「ことば」で理由に基づいた説明ができるようになる良い学びの場ともなりました。

アートに近い制作物と言えど、完全に自分の好きなテイストで制作してしまうのではなく、クライアントの意図をこちらが読み取ってそれに意味を踏まえながら媒体に落とし込み、正解に近い答えを探していく、これは私のこれからの課題にもなると思います。