高校一年生の夏、スマートフォンをAndroid からiPhone へ機種変更しました。
その理由の一つとして「カバーデザインが豊富」というものがあったのですが、いざカバーを買いに行くとどれも見覚えのあるデザインで、つまらなく感じました。
同じ頃、高校生物に対する興味関心が以前よりも強くなりました。周囲の生徒にも「生物が好きな人」と認識されるようになりました。
そこで、自分の個性を表現できるようなカバーを作ろうと思い立ち、一つの動物細胞を彷彿とさせるデザインを描きました。
リンゴのマーク周辺に細胞核、そして遠くから見てもスタイリッシュに見えるよう簡略化したミトコンドリアやゴルジ体、リソソームといった細胞小器官をリズム良く散りばめました。
その後は業者に注文してカバーを製作してもらい、世界で一つだけのスマホカバーが完成しました。
自分の描いたデザインが身近な製品のデザインになることが、ここまで高揚感を得るものだとは想像できませんでした。おそらく「唯一無二のデザイン」という希少性の強さが影響したのだろうと感じます。
オリジナリティーがどれほどデザインに付加価値を与えるのか、身をもって知る経験となりました。