Qber Eats

OVERVIEW

大学の課題で作った、遊んで学べるボードゲーム。オンライン宅配サービスの"Uber Eats"と九州大学の頭文字からとった"Q"を掛け合わせている。

YEAR 2019

THEME

テーマは「食」。課題ではこれをもとにボードゲームを制作するという制限があった。


SURVEY

現在日本の食文化は大きな変革を遂げている。食生活の大部分を外部の食産業(外食、中食、通販、ファーストフードなど)に頼る家族が急激に増加している。若者の間ではバラバラ食いや勝手食いなどといった新しい風俗が広がっている。家庭で作る料理も各国の料理がいりみだれ、味つけや素材など今までにない組み合わせが登場し、食材なども海外に依存するものが多くなった。
その一方でこのような記事もある。

世界の都市における韓国料理の認知度調査、日本が最低の結果に=中国メディア

同国の公共機関である韓食振興院が8日、世界の10都市に生活する20-59歳の非韓国人・韓国系市民6000人を対象とした、韓国料理に対する意識調査の結果を発表した。調査の結果、韓国料理の認知度は全体で64.1%となった。国・地域別では東南アジアが80.0%で最も高く、中国の75.0%、米国の63.3%、欧州・オセアニアの57.2%と続いている。最低だったのは日本で、32.8%だった。


REALIZATION

上記の通り、日本と物理的にかなり近い距離にあり、かつK-POPや韓流ドラマなどの認知も広まりつつある日本でさえも韓国の食文化に対する認知度は明らかに低い。日本は外国の食文化を普段から受け入れてはいるが、実は海外に比べるとまだまだ認知度は低いことがわかった。

今日では国際交流が叫ばれているが、韓国の例から見て取れるに、確かに私たち日本人は韓国はおろか外国の食文化について知る機会がほとんどないのである。


CONCEPT

写真家のグレッグ・シーガルさんは「Daily Bread project」で、世界の食事がどのように変わってきているのかを紹介している。

彼は、上記のページの中で「食文化は子どもの頃に形成されて生涯続く」と述べている。このことから、子供の頃に海外の食文化を学ぶことで、現在の日本の現状を解決できるのではないかと考えた。それを遊びながら学べる手段として以下のボードゲームを制作した。小学校高学年までの小さな子供をターゲットにしているため、「説明書を読まなくても遊べる」ことを第一に考えながら作った。


CREATIVE

すごろく形式やカードゲームだと説明書を読んでルールを理解しないと始められないため、あえて物理的にボードを操作するゲームとした。そうすることで字の読めない小さな子供でも、ボードを見ただけでプレイすることができるようにした。

ルールは至ってシンプルで、カードを引き、そこに書かれた目的地に荷物を運ぶ。制限時間内にカードに書かれた得点×運んだ荷物の数が自分の得点となる。

また、カードには世界各地の料理とその国の地理的な位置が書かれているため、ボードゲームで遊ぶと同時に世界の食文化についても学ぶことができる。

RESULT

オープンキャンパスの際に授業作品として飾ったところ、見た目のインパクトや手に取りやすさ、イラストの親しみやすさもあって実際に遊ぶ人が多かった。また1月中旬に開催された学科の展覧会でも展示したところ、実際に遊ぶ人も多く説明書を読まなくてもある程度は遊べていたので、コンセプトの実現はできていたように思える。


制作時期:2019.7月後半 / 制作時間:約14時間

チーム制作:プロダクトの企画・制作、及びマップやロゴのデザイン、ネーミングなどを担当した。