oto-no-mori(音の森)は、野外の音楽イベントなどの空間を彩る天幕です。
正三角形の天幕を重ねたり・組み合わせたりすることで屋外などの木が密集した場所に対応する空間を作り出すことができます。
これらは簡単に取り付けたり、組み合わせたりすることができるので、自分たちで思い思いの空間を作り出す手助けをしてくれます。
制作を始める前に考えていたテーマは「音楽」「空間」「一体感」
それぞれについてリサーチなどを進めてゆく中で、大事にしてゆく核のような3つのコンセプトが決まっていきました。
①『聴く音楽』から『触れる音楽』へ
今や技術やネットの発達によって、いつでもどこでも音楽を楽しめるようなった。音楽が生活の一部となっていることはもはや当たり前のようにも感じる。
しかし、そのイヤホンの向こうに実際に鳴っている楽器などを想像する人達はあまりいないのでは?
そんな「聴く音楽」のようなものから、生の楽器の音や演奏体験のような「触れる音楽」まで興味を持てるような体験をつくることはできないだろうかという思いでこの制作のひとつのコンセプトに設定した。
②『自分たちで空間を作り上げる体験』
演奏経験などない人に、じゃあどう興味を持ってもらえるか?を考えたところ、「当事者になってもらう」ことが良いのではないかと考えた。
例えば友人同士でキャンプなどに出かけた際、自分たちで生活をする空間を作っていく過程は体験として強く印象に残りやすい。
このように、目的とする空間を作っていく過程というのが、のちに演奏される音自体にも影響を及ぼし、体験として残りやすいのではと考えた。
そこで「参加者も目的とする空間を一緒に作っていくことができる」「工夫次第で多様な空間が作れる」ということに重点を置き、制作を進めることにした。
③『正三角形でつくる多様な空間』
正三角形の天幕は従来の四角のものと違い、木が乱立している場所でも設置することができ、また天幕同士を繋げることでサークル状の形なども作れる。
色は4種類(オレンジ・イエロー・ライムグリーン・エメラルドブルー)を考え、色によって空間を分けることができたり、華やかにすることができるようにした。
●イベント案の一例
【迷路のような野外音楽イベント】
石やペグを使い壁のように斜めに天幕を張り、またステージを多数用意する。
同時多発的に演奏が始まるその空間で、その場にいる人は迷路のように会場を行き来する体験をする。
どこかで聴こえるステージの演奏だったり、天幕の隙間からかすかに覗く景色などはただ聴くだけじゃない新しい体験を生み出してくれる。
また、天幕はスクリーンのようにもなるので、演奏者のシルエットが印象的な場面なども作り出すことができる。
(学外展示の様子)
●リサーチ
要点を絞り出していく
●モックやアイデアスケッチ
本モック完成。天幕一枚につき、ロープ3本・ペグ3本のセット。