「秋の大文化祭!」2022
弦巻楽団が主催する演劇祭。次年度以降の劇作を見据えた"実験的"新作『ピース・ピース』と、戦争を背景とした日本の名作戯曲を上演する演技講座発表公演『動員挿話』『婚期』『冬の花火』の2本立て。『ピース・ピース』はTGR2022で大賞を受賞した。
#37 1/2『ピース・ピース』
出演:赤川楓、佐久間優香、佐藤寧珠
脚本・演出:弦巻啓太
宣伝美術:むらかみなお
楽曲提供:橋本啓一
協 力:さっぽろアートステージ2022実行委員会、札幌劇場連絡会
受賞
Theater Go Round 札幌劇場祭2022 大賞・俳優賞(佐藤寧珠)
演技講座2学期発表公演
弦巻楽団が2013年より開講している演技講座。高校生から50代、演技未経験者から何度も舞台に立っている俳優まで、さまざまなメンバーが参加している2022年第2学期は、日本の名作戯曲を3本立てで上演。戦中や戦後の登場人物として「揺らぐ」ことを目標に掲げて取り組んだ講座生が、舞台上でどんな成果を見せるのか。
【上演作品】
『動員挿話』作:岸田國士
『婚期』作:秋元松代
『冬の花火』作:太宰治
出演:阿部藍子、岩波岳洋、髙野茜、高橋咲希、高橋友紀子、種村剛、長澤小春、中島彩友、宮下諒平(北海学園大学演劇研究会)、宮脇桜桃、ゆきち、吉井裕香、来馬修平、佐久間泉真(弦巻楽団)、柳田裕美(弦巻楽団)
演出:弦巻啓太
演出助手:岡崎友美(浦とうふ店)、斉藤法華
宣伝美術:みきと
公演概要
日程
2022年11月19⽇(土)〜20日(日)
全4ステージ
会場
ターミナルプラザことにパトス
スタッフ
照 明:手嶋浩二郎
音 響:山口愛由美
制作協力:ダブルス
写真撮影:イノッチ(usagiMark)
助 成:公益財団法人北海道文化財団 文化芸術活動継続支援事業
後 援:札幌市、札幌市教育委員会
主 催:一般社団法人劇団弦巻楽団
メッセージ
弦巻啓太(当日パンフレット「ごあいさつ」より)
久しぶりに新作を書きました。とは言っても、ここ3年は北海道大学CoSTEPさんとのコラボレーションで『私たちが機械だった頃』『インヴィジブル・タッチ』『オンリー・ユー』と毎年一作ずつ脚本を書いていたり、ラジオドラマの執筆などもしたので、純然たる「久しぶり」ではないのですが、気持ちとして、新しい旅を始めた感触があります。
2022年度は新作の上演はしない、本公演もありません、と言っていたのですが、演劇には日々関わっているわけで、そうなると沸々と創作欲みたいなものが湧いてきました。来年、弦巻楽団は活動20周年を迎えます。その周年記念(自分の中で)に向けて新作本公演を行おうと計画中です。そこでは「新しい物語り」を構築しようと構想中なのですが、いきなりそこで発表ではなく、「新しい物語り」の断片を劇場で試せないか、そう考えたのが『ピース・ピース』の発端です。
色んな物語をこれまでも上演してきました。ウェルメイドを中心に、様々な題材だけではなく、多様な「語り口」を実践することを心掛けてきました。もっと届けたい。我が事のように。共有したい。揺さぶりをかけたい。それは大袈裟に言えば “傷つけ合いたい” ということです。舞台と、客席の間で。
これまでもそうした創作はありましたが、もっと違った形でそれが出来ないか。観客を脅かして不安にさせるような作風や、上から怒鳴りつけるような舞台でもなく、自然体のうちで起きてしまう軋轢や行き違いを、そのまま取り出せたら。
そこに更に舞台上で起きることをどう受け止めるか、という演劇としての検証も重なってきます。
むむむむむ。
まずは『ピース・ピース』です。そんな試みから元々は3編の短編小説からスタートしました。会話から一度遠く離れることで、何が見えてくるか、そんな再実験も含まれてます。得体の知れない取り組みに参加してくれた出演の3名に感謝!
今日は、本当にありがとうございます。
ごゆっくりお楽しみ下さい。