■ 制作意図・コンセプト
僕はゲーム中毒で不登校だった。学校の授業が退屈だった。
でも僕には僕の世界があって、表現したいモノがあった。
僕は40作以上のアプリを作り、市場に出した。
しかし、その作品がセキュリティ上の問題があると削除された。
だから僕は大学でセキュリティを学んだ。
そこで知った、セキュリティのあまりの面白さを。
しかし、セキュリティは小難しいばかりに、多くの人に面白さは伝わっていない。
僕は思った。セキュリティをゲームのように楽しく学べるものを作って、本当の面白さを伝えたい。
そしてできあがったものが、このCyship(サイシップ)だ。
コンピュータがわからなくても、セキュリティの攻防を体験しながら学べるCyship。
子供の頃に夢中になった戦艦バトル(Ship)×サイバーセキュリティの学習ソフト。
すべての人にセキュリティの面白さを届けるために。
すべての人の作品を危険から守り、奪われないために。
■ 制作プロセス
僕たちはアジャイル開発という、最小限の機能を持った作品を作り、ユーザのヒアリングを基に改善していく開発手法を取りました。
まず、8月にA4用紙をちぎってアナログのカードゲームを作りました。
紙の状態で何度もプレイし、セキュリティの専門家にもプレイしてもらい、ゲームバランスやルールを確定させました。
10月にはオンライン版を作り、中学生3名に使ってもらい意見をもらいました。
意見を元に大きく改良し、11月に高校生に、2月にはセキュリティコンテストSECCONで展示を行い、更に改良。
ゲームエンジンのUnityと、サーバーサイドはPHP言語を用いて開発しました。
AI vs AI機能では、ユーザーがブロックプログラミングでAIの思考ロジックを作れるようにしました。
また、具体的にサーバーが落とされた場合、登録されている相手の秘密画像が漏れることにより、情報漏えいの再現機能を作成しました。
■ コメント
Cyshipは、若手セキュリティイノベーター育成プログラムSecHack365の第一期生が中心となって作成した作品です。
SecHack365は、25歳以下の学生や社会人から公募選抜し、サイバーセキュリティに関するソフトウェア開発や研究、実験、発表をハッカソン形式で繰り返しながら、1年間かけてセキュリティ技術の研究、開発を本格的に学ぶプログラムです。
倍率7.6倍から選ばれた47名の中で、僕たちは最優秀の6チームに選ばれました。
2018年9月には、毎日新聞の一面で代表の北村とメンバーの川島、Cyshipが紹介されるなど、世間でのサイバーセキュリティに対する関心の高さも伺えます。
現在、2019年1月正式公開を目標に開発に勤しんでいます。