私はこのプロジェクトに2016年に参加しました。
母が昔東南アジア青年の船という内閣府が企画しているプロジェクトに参加していて、その時の先輩にあたる人が特定非営利活動法人ECOPLUSの経営者でした。
そこからこの話が私に降りてきて、母から行ってみないかと聞かれ、
二つ返事で「行く!!」と答えていました。
参加者は11名で、私以外皆大学生という状況で、上手く馴染めるのか不安で仕方ありませんでした。
しかし皆気さくな方で、すぐに馴染むことができました。
(カメラを持つと写真を撮ることに夢中になってしまうので、写真撮影禁止というルールで生活しました。これらの写真はスタッフの方が撮っています。)
現地では小学校を借りて寝泊りをしました。
↓生活必需品
- ナイフ
- ライター
- 水筒
- ナッツなどのつまめるもの
- 腕時計
ナイフはバナナの葉を裂いたり食材を切るのに使用します。
ライターは火を起こすためです。
ヤップにはガスコンロはありません。自分たちで石を集めて火床を作り、ヤシの実を乾燥させたものを燃料にして火を起こします。
ライターがあればすぐつくだろうと思っていましたが、以外にもなかなかつきません。風邪を上手く塞ぎ、息を何度も何度も吹き込んでやっと火がつきます。
普通に生活しているだけでは絶対に味わえない苦労でした。
食材もお米と調味料は日本から持参して、そのほかは全て現地調達でした。
ヤップでは食材を採るのは男性の仕事らしく、男性陣がカニを採りに夜中に出かけたり、魚を採るのに潜っていました。
ヤップの人たちからバナナやパンの実、ココナッツの差し入れもたくさんいただいて料理しました。
今の私たちの生活がどれだけ便利で簡略化されているのかを実感しました。
ヤップでは約二週間過ごしました。そのうちの二泊三日はホームステイをします。
私にとって初めてのホストファミリーができた瞬間でした。
英語を聞き取ることは得意でしたが、話すことが苦手で不安を抱いてのホームステイでした。
聞き取ることは得意といっても、ヤップ島にはヤップ語という言語があるので、英語の発音にかなり癖がありました。聞き取ることに一生懸命になりすぎて、あまり言葉を発しての会話ができなかった記憶があります。
ですが、そんな私にも聞き取りやすいようにゆっくり話してくれたり、私が話そうとしていることを理解しようと真剣に声に耳を傾けてくれました。
「実はホストシスターは学校で少し日本語を学んでいる。」
「ヤップ語には日本から伝わった言葉がいっぱいある。」
「ボーイフレンドはいないの?コイバナしよう。」などなど
あまり上手に話せなかった分、話したことは今でもしっかり覚えています。
家族として受け入れてくれたことがとにかく嬉しくて、あの時感じたあたたかさは忘れもしません。
自然豊かなヤップ島ですが、今は物凄い速さで文明が流れ込んできています。
私もびっくりしましたが、意外にもスマホを皆持っていました。
ですので、ホストファミリーとはFacebookでたまに連絡を取り合っています。
ヤップで一番記憶に残っている景色が、夜景でした。
夜に海まで行き、海に浮かびながら夜空を見た時、心の底から感動しました。
初めて見る満点の星空、海には光るプランクトン、静かに揺れる木々の音。
全てが美しく、大きな悩みも小さな悩みも何もかもその時に吹っ飛んでいったのです。
本当にあの感覚は初めてで、気づいたら涙が溢れていました。
偉大な自然を目の当たりにし、自分の存在のちっぽけさを痛感させられました。
それと同時に、「生きる」ってこういうことなんだ。と腑に落ちた自分がいました。
あまりに感覚的なので言葉にするのがとても難しいですが、
海も魚も微生物も生い茂る木々も、私を今包み込んでいる何もかもが生きている。
ここに在るということは生きていること。
生きているということはここに在ること。
生きていてよかった。
心の底からこう思いました。
リラックスどころじゃない自然のパワーに魅了された貴重な時間でした。
いつも悲観的だった私が、今楽観的に楽しく生きているのはこの時があったからかもしれません。かなり何事も前向きに捉えるようになりました。
この約二週間でみつけた私にとっての「豊かさ」は
「五感をフルで使うこと」「愛すること」です。
ジリジリと太陽に照らされながら火を起こしたこと
拾った巻貝から海の音を聞いたこと
ココナッツの皮むきがとても大変なこと
ココナッツオイルのにおい
至る所にある美しい景色
五感を使わなければ気づかないことだらけでした。
そして、ヤップではたくさんの愛に触れました。
家族を愛し、自然を愛し、生きることを愛す。
そうして生きているヤップの人たちは本当に輝いてみえました。
この経験は私にとって本当に大事なものになりました。
帰国後は活動報告書の編集部として制作に携わりました。
ある程度テンプレートが決まっていたので、使用する写真やページ構成を主に考えました。
これは他己紹介ページで、一緒に過ごした仲間の似顔絵を描きました。
紹介ポイントは編集部のメンバーで考えています。
貴重な経験をし、それの経験を一冊の冊子にまとめることができて、本当にたくさんのことを学んだ期間でした。
この活動から得たものは、全て私の一部であり、生きる糧であり、生きる力になっています。