世界史に出てくる歴史上の人物をキャラクター化して覚えやすくする、というのはよく聞く話です。私の身の回りでも何人かやっていました。
しかし、生物に出てくる微生物は、「細かな構造が覚えられない」「生物名が覚えられない」という声がある割には工夫された覚え方が無い印象です。
少なくとも、当時のクラスメイトは誰もやっていませんでした。
そこで提案したのがこの「ゾウリムシスニーカー」です。
ゾウリムシはその名の通り、草履を想起させるようなフォルムです。
また、数え切れないほどの繊毛を巧みに操ることで、速く、自由に移動することができます。
体内の構造も、「ゾウリ」という言葉が手伝ってどこかスニーカーの靴底のように見えませんか。
こういった特徴を「架空のスニーカーのデザイン」として描き起こしてみたところ、同級生はもちろん、当時担当だった生物の先生からも「来年の一年生に見せてあげたい」と高評価を頂きました。
実際、私の後輩たちはこれを見せられ、その後生物に興味を持ったそうです。
小規模ではありましたが、「自分のデザインが社会に影響を与える」ことを肌で感じた初めての体験でした。
同時に、(生物名を覚える為にスニーカーのデザインを用いたように)ある目的を達成するための媒体として「モノ」の「デザイン」が有効であることも痛感しました。