未来ゴミ箱
自走するゴミ箱で街を綺麗にします。GPSや近接センサーの他LINE Payでの決済にも対応しており、維持費を自分で稼いでくれる機能も実装。ゆくゆくは有料ゴミ箱オーナーとして不労所得生活したい…(吉松はセンシング系統を担当。)
街中ってなんでこんなにゴミ箱少ないんだろう?
(※元は大阪・日本橋でのデジットハッカソンで、このとき初めましての5人組が開発したものです。)
日本全国の中でも、圧倒的に濃い街を多く抱える巨大都市大阪。人がこれでもかと行き交う駅の中にも、賑やかな繁華街の店の前を探してもゴミ箱はありません。
大阪に限らず、日本全国で街からゴミ箱が消えて景観がよくなったその反面、インバウンド需要に伴う外国人観光客からも不満の声が上がっています。
では、なぜゴミ箱が街から消えていったのか、地下鉄サリン事件や9.11も要因としてはありますが、ここではそれ以外の理由を中心に考えてみようと思います。
理由その1|維持費が稼げない
まず、ゴミ箱一つにかかる費用が結構バカにならないんです。
渋谷駅前、3ヶ所に設置されたゴミ箱を管理する東京都渋谷区を例にとると、定期的にゴミ回収したり、落書きを消したりというコストだけでも、年間1800万円かかっているとのこと。これでは自治体もゴミ箱設置にはためらうのではないでしょうか。
理由その2|置くとすぐ溢れる
沖縄の「国際通り」は県庁前の交差点から始まる有名な繁華街。ですが、ここにもゴミ箱はありません。置くとすぐに「とりあえずこの中に突っ込んじゃえ」ってなって(多分)、捨てられたゴミが溢れてしまうためです。その溢れたゴミを人が定期的にケアするのも大変です。
通常ごみ箱を設置してそうなコンビニ等でも、対応できない量のごみが持ち込まれるので、近年ごみ箱を店内に移す、もしくは廃止しているところも増えています。
こういった問題が重なり、街中でゴミ箱を見かけなくなった。というわけです。そこで、
維持費を自分で稼ぎ、満タンになっても大丈夫なような自走式のゴミ箱を誰かが発明して、ゆくゆくは実証実験して大阪万博で走らせられたらいいよねって話になったので自分たちでつくってしまおう!となった次第。
社会実装のイメージ
維持費を自分で稼ぐ未来のゴミ箱として、街中を巡回してもらう。
道ゆく人がゴミを捨てるときには、地図でゴミ箱を探して、LINE Payで決済をすることで蓋を開けられるようになっている。これによって維持費を稼ぐ。(写真は展示の際のもの)
現在はゴミ箱が満タンになったら管理者に通知する形式をとってはいるが、将来的にはあらかじめ用意したゴミステーションに向かって走るようにできるともっと楽になる。
また、天候や位置情報とゴミの量との関係など、データロガーとしての副次的な効果も期待できる。
実際に用いた技術
LINE Payで維持費を稼ぐ決済系と、自走するためのKeigan Motorを中心とした制御系、位置情報や中身の検知用のセンシング系の3つに分かれて開発を進めた。
今回はハッカソンということもあり、協賛企業の提供パーツを使わせてもらうことができた。(お世話になりました。本当にありがとうございました。)
個人的に担当したパートについて細かく述べると、最低限ゴミが溢れたら通知をさせたいと思っていたので、ROHMセンサ評価キットで拾った近接/照度センサの値が閾値を上回っていたらsakura.ioを通じてサーバに送信し、twilioで管理者のスマホに電話をかけることに。
これでアプリを作らずに通知を飛ばせる。(開発中不在着信がとんでもないことになってたのは今となってはいい思い出です。)
また、チームメンバーさんに作成していただいた、GPS信号で得た緯度経度も同様にしてsakura.ioで送信し、Leaflet上で可視化する機能も一緒に組み込み。
チームでつくる圧倒的アドバンテージを感じた瞬間。
そしてこの時、成果報告前日22時。
みなさん本当にお疲れ様でした。まあ当日の朝も作業してましたけどね笑
当日の写真です。吉松はちょっと写ってないですが、展示にはきちんと間に合っていろいろ話できてよかったです。
受賞・展示歴
デジットハッカソン2019 さくらインターネット賞、TEQS (大阪市ソフト産業プラザ)賞
メーカーズバザール2019にて展示
ROAM OPEN HACK CHALLENGE 2019 最優秀賞
CEATEC2019 ロームブースにて出展