必見!日本はどんな貿易をしているの?主要輸出入品や意外な品目もチェック

日本の貿易はどんなものを輸出入しているかご存知ですか?

日本製品が海外で高い評価を受けていることは、多くの人が何となく知っていると思います。

食品の買い出しにスーパーへ行くと外国産の品物がたくさんあるので、何がどこから来ているのかイメージできる品物もありますね。

日常生活に欠かせないあの品物が、意外にも輸入に頼っているということもあります。

ここでは日本の貿易について分かりやすく説明します。

 

 

日本の主要輸出入品

日本は世界有数の貿易大国です。

その一方で、日本には足りないものも多いです。

貿易は、その足りないものを補うことも求められます。

日本の貿易を知ることによって、日本の強みと、足りないものを見てみましょう。

 

輸出品【日本経済を支えるメイドインジャパン】

日本のように資源や材料を輸入し、完成品を輸出するという貿易形態を『加工貿易』と呼びます。

引用:日本貿易会

https://www.jftc.or.jp/kids/kids_news/japan/item.html

 

加工貿易の代表的なものが自動車です。

ですが近年は日本が部品を輸出して完成品を輸入するという形が増えています。

たとえば半導体は部品を日本が製造して中国や韓国に輸出し、完成品を日本へ輸入するという形が多くなっています。

日本は資源の乏しい国なので、人材と技術が長らく貴重な「資源」として活躍し、高度成長を支えてきました。

しかし近年の少子化による若手の人材不足・労働者の高齢化と、海外と比べて人件費が高いことで、特に工場では生産拠点を海外に移す企業が続出しています。

日本の加工貿易も転換期を迎えていると言えるかもしれません。

 

輸入品【日常生活になくてはならない品物たち】

日本が輸入している物の多くは、資源エネルギー、原材料などです。

引用:日本貿易会

https://www.jftc.or.jp/kids/kids_news/japan/item.html


最も多いのが原油で、次いでLNG(液化天然ガス)ですから、その2種類だけで多くの輸入がなされていることが分かります。

それだけ日本のエネルギー事情が輸入に依存していることが分かり、有事の際にはエネルギーの危機的な状況も想定しておかなければならないことが想像できます。

そのためには再生可能エネルギーや、日本の地理的条件を活かした新しいエネルギーの活用が求められています。

また、近年は衣類の輸入も多くなっており、国産の衣類を探すのが難しくなっているほどです。

身近なところで輸入品といえば食糧も思い浮かぶところですが、農業は食の安全志向を背景に国産品が健闘しています。

しかし、TPPなどの貿易協定によって海外産に押されている作物も多くなっており、今後は食糧も輸入品が多くなることが予想されます。

また、新世代の産業であるIT関連業者も、日本の技術者不足に対して海外の技術者の増加が顕著で、今後その技術や製品を輸入するようになることが予想されます。

 

こんなものも輸入しているの?意外な品目

日本が輸入しているものの中には、意外なものもあります。

日本の伝統的な品物のように思えても、近年は国産ではないものが意外と多くあります。

どのようなものがあるのか見てみましょう。

 

食品

日本は食糧の自給率が低く、その多くを輸入に頼っています。

資源が少ないうえに人口が多いので、自国で賄える物が限られているのです。

それは日本の伝統的な日本食でも例外ではありません。

比較的よく知られているのはウナギです。

かつては日本のどこでも獲ることができ、養殖もされている日本を代表する伝統的な魚ですが、近年は特に中国産が非常に多くなっています。

さらに日本の伝統的な食糧の中で、輸入が多いことが意外と思われるものが海産物です。

海に囲まれている海洋国家の日本ですが、領海で捕れないものも多いのです。

たとえば、お正月のおせち料理に欠かせないエビは、ほとんどを輸入に頼っています。

特に東南アジアやインドなどから多くを輸入しています。

和食の彩りに欠かせないエビですが、ほとんどが海外産なのです。

また、海産物で海外産が多い物の代表的な食品がタコです。

タコはモロッコなどのアフリカ産が多くなっています。

日本人は世界一多くのタコを食べる国民です。

日本人は海外の人があまり食べないものを食べることがありますが、たとえば魚の刺身が代表的です。

実はタコは海外の多くの国で見た目のグロテスクさで敬遠されているので、タコを食べる習慣がありませんでした。

かつては日本人がタコを食べると聞いて驚いたという話をよく聴きました。

一方で輸出に目を向けてみると、日本の食糧を意外な国へ輸出していることが見えてきます。

その1つが牛肉で、日本産牛肉を最も多く輸入している国はカンボジアです。

引用:日経産業新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO55546490S0A210C2XR1000/

 

ただし、これにはカラクリがあって、カンボジアは日本から輸入した牛肉を再び中国へ輸出しています。

早い話が転売なんですが、これは以前狂牛病問題で中国が日本の牛肉の輸入を制限したことが発端です。

それでも日本の美味しい牛肉を食べたい中国の富裕層と、転売で儲けたいカンボジアとのニーズが合致したというわけです。

カンボジアは元々中国との結びつきが強いために、このような裏ルート的な販路の開拓も可能であったのだろうと推測できます。

また、近年大きく伸びている輸出品の中に、インスタントコーヒーがあります。

そして意外なことに全体の約3割がロシアに輸出されているのです。

ロシアといえば長年紅茶の文化が根付いていた国ですが、近年は嗜好の変化によりコーヒー文化が急速に広まっています。

昨今のコロナ禍でなかなかカフェなどに行けないこともあり、インスタントコーヒーの需要が高まっていることもあって消費が伸びました。

 

工業製品

工業製品で意外な輸入品といえば、代表的なのは医薬品です。

財務省貿易統計によると、日本の輸入品の中で3.9%を占め、4番目に多い品目となっています。

日本は医療の現場に携わる人材は優秀ですが、開発者側は他の先進国に比べるとやや弱い印象を受けます。

医療の現場の充実を求めてきた一種の弊害のように感じます。

日本の製薬会社も頑張ってはいるのでしょうが、医薬品はまだまだ海外の技術に依存している印象です。

また、メガネのフレームも近年非常に輸入品が多くなっています。

福井県鯖江市を代表とする伝統的なメガネフレームは健在ですが、そういった高級品は別として安価なメガネには海外産フレームが多く使用されています。

特に東南アジアでメガネのフレームの生産が多く、そのおかげで近年はメガネを安価で購入できるようになりました。

 

こんな意外なものもある

近年注目されている、農業用の花粉媒介昆虫や、天敵ダニなどの農業用生物資材もほとんどが輸入されているものです。

これらは農業のオーガニック化が高い支持を得ているための新しい技術で、農薬の危険を遠ざけてくれる貴重な存在となっています。

その一方で、海外からの生物の流入は日本の生態系に良くない影響がある可能性が懸念されています。

 


まとめ

日本の貿易は加工貿易と呼ばれる形態で、高い技術を背景に工業製品を多く輸出しており、乏しい資源を輸入に頼っていることが分かりました。

今後は電力事情などによって輸入品が変化してくることがあるかもしれません。

普段私たちが使用している物がどのような過程で手元にやってくるのか、これからも注目していきましょう。