はじめに
パスレボ株式会社は、ヤフーとエイベックス・エンタテインメント、アメリカの大手プレイガイドAXSとの合弁会社で、様々な興業のチケット販売業を主軸とする企業です。チケッティングにおけるアメリカの最新技術を持ち込み、日本のチケット業界を変えていきたい、という思いのもと誕生しました。今回はパスレボ社のコーポレートサイトを、企画からリリースまで一貫して担当させていただきました。
担当領域
- コンテンツ企画
- ビジュアルコンセプト設計
- ビジュアルデザイン
- コーディングディレクション(ベトナムにオフショア)
なんのために作るのか
まず、コーポレートサイトを制作するにあたり、そもそもなんのためにサイトを作るのかを明確にします。コーポレートサイトは「企業の顔」となります。見てくれた方に会社のことをどう思って欲しいのかを言語化することがとても重要です。これが、サイトのコンテンツからデザイン、言葉の使い方など、全てに通ずる基盤となります。今回は、以下の2つを大きな軸としました。
会社としての、ブランディングワード
次に、会社に関わるクリエイティブに一貫性を持たせるため、今後制作する全てのクリエイティブに共通するブランディングワードを決めていきます。コンセプトとこのブランディングワードは、社長含む役員の方々、営業の方など、様々な職種の方と打ち合わせを重ねて決定しました。
コンセプトをどう伝えるか
コンセプトとキーワードが固まったら、それを実際のデザインに落とし込んでいきます。上記の目的とブランディングワードをもとに、ざっくりとワイヤーフレームを作成していきます。このワイヤーフレームをベースに、コンテンツの細部やワーディングを調整していきます。
また、デザインの方向性を決めるため、イメージボードを作成していきます。今回は、
- ライブやイベントの高揚感が伝わるようなビジュアル
- 技術的な優位性を示すため、AIを想起させるようなデータ的なビジュアル
を集めました。※以下はその一部です。
デザインに落とし込む
最後は、ワイヤーフレームとムードボードをもとに、ビジュアルデザインを完成させていきました。デザインで拘った点は以下です。
- チケッティング技術で日本の10年先を行くと言われるアメリカの技術を輸入していることもあり、日本企業らしい伝統的なデザインではなく、海外の先進性を想起させるビジュアル
- 技術的優位性を表現するため、サービスの画面イメージには実際の3Dマップ(座席を選択する際、座席からの眺めを3Dで見ることのできるマップ)の動画を使用するなど、視覚的な理解のしやすさを意識
終わりに
どんなデザインを制作する上でも、目的やデザインの軸を最初に言語化し、デザインに論理性と一貫性を持たせることが重要だと考えています。また言語化は、デザイナーだけでなく、どんな職種の方にも通じる共通認識を作ることができるという点でも非常に重要です。今回はその言語化の意義を強く意識させられた案件でもありました。