WS「ほっこり!えんがわTV」企画
多摩美術大学のPBL「コミュニティアート」の授業で、気軽なコミュニケーションの場が少なくなっている今、「縁側」に注目し、縁側から生まれる輪、地域と人との繋がりを増やすイベントを企画しました。(制作期間:4ヶ月)
【概要】
多摩美術大学×おはなし貯金箱×アートラボはしもと「ほっこり!えんがわTV」
後援:アートラボはしもと事業推進協議会(女子美術大学・桜美林大学・多摩美術大学・東京造形大学・相模原市)
協力:アートラボはしもと おはなし貯金箱
*クライアント情報*
アートラボはしもと ▶︎ 施設周辺にある美術大学などと連携し、そこで学ぶ美大生や卒業生、子どもたちや地域の方々、商店街や企業、学校、研究機関、市民グループなどと協力し合いながら、さまざまなアート事業を展開する“アートの活動拠点”。
*要件*
課題 ▶︎ 学生、特に小学生を対象としたワークショップや、美術が好きな人を対象としたアート事業はしており、施設の認知度は上がってきているが、シニア世代での認知度がまだ低い。また、美術への抵抗がありそう。
目的 ▶︎
・シニア世代を中心とした施設周辺の住民のアートラボはしもとの認知をあげる
・美術への抵抗感を軽減させる
・新規層の獲得、またその定着化
ターゲット ▶︎ シニア世代、施設周辺の住人
*企画*
橋本で活動するシニア世代の交流サークル「お話貯金箱」の方々から、「今は昔の縁側のような気軽なコミュニケーションをとる場がなくなってしまった」ということを伺った。
そこで、「気軽なコミュニケーションの場」として、みんなで座れる移動式の縁側を作り、それを使って橋本の各地で地域の人と撮影をし、橋本に住んだり通ったりしている方々にしか分からないような超地域ウケの映像を「えんがわTV」と称して作成、アートラボ内にそれをのんびり楽しめるような上映空間を設営し、上映会を行うということを企画した。
*コンセプト*
世代を超えて、人と人とをつなぐコミュニケーションの場をつくる
*サブコンセプト*
・橋本の新しい価値を発見する
・地域に根付けるアートラボ作り
*進行*
*広報活動*
・地域施設へチラシを置いていただく
・おはなし貯金箱の方々からの口コミ
・アートラボはしもとの向かい側にあるマンションにチラシを貼っていただく
企画の案出しの時点では、企画が多くの人々に届くよう、イベント当日の配信やSNSでの広報活動も案に出ていたが、「地域の人々のつながりを丁寧につくること」が大事という判断になり、ターゲットをアートラボ周辺の住民の方々に絞った。
▽制作の様子
*イベント概要*
イベント名:多摩美術大学×おはなし貯金箱×アートラボはしもと「ほっこり!えんがわTV上映会」
開催日:2018年12月22日(土)、23日(日)
「えんがわでほっこり ゆる〜い番組できました。」
*会場*
入り口 ▶︎
番組紹介キャプションの制作を担当。
受付ではオリジナルの缶バッジを一人一つ配布した。「気軽に美大生の作品を手元に持っておいてもらう」という目的もある。
*ほっこり空間*
工夫したところ ▶︎
心も体もほっこりあたたまる空間設計
イメージ:祖父母の家のような安心感
会場はもともと天井が高く開放感ある空間だったため、スペースを手作りの障子で区切った。
こだわりのセット ▶︎
・障子(手作り) ・畳 ・古い壁掛け時計やこけしなどの小道具
・こたつ ・足湯(手作り)・座椅子、座布団 ・半纏
・温かいお茶 ・お菓子 ・みかん
*足湯…ビニールプール、すのこ、保温ヒーターを使用して制作
足湯 ▶︎
足拭き用にえんがわTVのロゴ入りのオリジナルタオルを制作し無料配布した。
2日目には1日目にいらっしゃったシニア世代の方が足湯用にと柚子を持って来てくださり、ゆず湯にすることができた。
*結果*
集客 ▶︎ 子供連れのご家族からシニア世代まで幅広く来てくださった
広報活動 ▶︎ 口コミがシニア世代に効果的だった。若い世代の方はチラシを見てくださったり、「いつも気になっていたが今回イベントの会場が見えて初めて入ることができた」という方もいらっしゃった。
この空間を媒介として、世代を超えたコミュニケーションの創造が実現した。また、アートラボはしもとという施設の新しい価値を提供することに成功した。