[ Branding Design ] burr.
大学の卒業制作で作成したアクセサリーブランド。ブランドコンセプトを始めとし、メタルアクセサリー、パッケージ、カタログ、ディスプレイまでを手がけました。この作品で卒業制作展プロダクトデザイン賞を受賞しました。
□ 使用ツール:Adobe Illustrator,Photoshop,InDesign
□ 制作期間:9ヶ月
企画
□ 制作意図
多様性を尊重する働きが社会全体に広がっていることに着目
大学で家政学という分野の下、ジェンダー学や家族社会学を通じ、 男女間や年代間での差が未だにあるということを学ぶ。また SNS で問題を発信を目にする機会も増え、 これまで声を上げられてこなかった問題や主張がたくさん存在することを改めて実感した。
→様々な人が自分らしく生きるために、デザインの分野でアプローチできないだろうか?
□ リサーチ
年代・性別問わず好まれるモノとは?
色...空を連想する青、植物を連想する緑など自然由来の色・性別による色の結びつきに囚われない無彩色
カタチ...シンプルかつ温かみのあるカタチ・幾何学的で無機質、洗練されたカタチ
→人々の身近に感じられる自然の植物をモチーフに決定。抽象化し、日常使いのしやすいデザインを目指す。
□ モチーフ
さまざまな植物を調査していく中、一般的にひっつき虫などと呼ばれる植物に興味を抱く。
ひっつきむし【引っ付き虫】
人の衣類や動物に張り付いて分布域を広める植物の種子、果実の総称。表面にフックや逆さトゲなどの独特の構造、または粘液をもつ。動物側には利益はなく、場合によっては針や鉤によっていやな思いをしたり、傷がつくこともある。
・誰彼構わずお構いなくひっそりと引っ付いてくるように、私たちもそれくらい自由であってもよい。
・ ” ひっつき虫 ” と言っても種類が豊富で特徴的なものが多いため、モチーフとしてのおもしろさを感じる。
□ブランド名
ブランド名であるburr.[バー]は、”bur-イガ・トゲを持つもの”と”Bar-標準・基準となるもの”という意味の単語を掛け合わせたもの。
たとえ小さな棘を持つものたちでも、新たなスタンダードとなってほしいという願いを込めて名付けた。
情報設計 / 印象設計
□ コンセプト:年代・性別を問わず手に取りやすいプロダクト
□ ターゲット
・老若男女の人々。
□ 目的
・ブランドを通じ、さまざまな意見や考え方を持つ人がいることが当たり前という考えが一人でも多くの人に伝わるように。
・ブランドのコンセプトが一貫していて、より世界観が伝わるように。
□ 印象
・リサーチから、シンプルかつ洗練された印象を目指す。
・モチーフの植物を抽象化し、日常に溶け込むようなデザインに。
・植物の持つ印象から、柔らかさや親しみやすい雰囲気を忘れないように。
制作物
□ アクセサリー
素材:真鍮
一般的にひっつき虫と呼ばれる植物から、オオオナモミ・アメリカセンダングザ・アレチヌスビトハギの3種類をチョイス。それぞれピン・ピアス・ブローチ・タイピンの4種類、計 12 種類のアクセサリーを制作。ひとつひとつ真鍮板から切り出し、槌目模様・削り方を試行錯誤しながら制作。
□ パッケージ
W94 × D27 × H94
素材:紙、布
専用ギフトボックスを制作。スライド式のボックスにブランドロゴのラベルを貼り提供。幼い頃、拾ってきた木の実などを宝物のように大切にしていたように、収納する際も愛着が湧くようにと作成。
□ カタログ
B5 サイズ・24 ページ
コンセプトやサイズなどを詳しくまとめたカタログ冊子を制作。老若男女のモデルがアクセサリーを着用した様子収める。カタログに使用している写真は、実際に調査として森に足を運び撮影。
全容はこちらからご覧になれます。※Publish Onlineへ移動します。
□ ディスプレイ
2022年1月上旬、大学内にて卒業制作の展示・最終プレゼンテーションを行われました。” ひっついてくる ” という植物の特性を分かりやすく伝えるため、アクセサリーを布に付け吊るす ディスプレイを制作。アクセサリーはそのままギフトボックスへ納めることができ、ラッピングの手間を減らしスムーズに提供することを意識。
ビジュアルの方向性
□ フォント
・パッケージやカタログではWebサイトと同様に筑紫A丸ゴシック、Biloを使用。
□ カラー
・緑色をベースに雰囲気の異なる3色を主に使用。