研究室と企業のDAOを作るサービス「NFTForLab」
先日参加した「Blockchain Hackathon for Students」で制作したサービス「NFTForLab」についての紹介です。
12/3~10にかけて開催された「Blockchain Hackathon for Students」に参加させていただきました。その際に制作したサービス「NFTForLab」について紹介したいと思います。
なぜ作ったのか(課題感)
昨今では日本の研究力の低下が問題になっています。特に日本は世界と比べて、継続性が短く規模が小さいスモールアイランド型の研究の割合が少ないことがわかっています。
スモールアイランド型の研究は将来的な技術革新のシーズであり、注目度が高まっています。しかしながら,小規模で数が多く,十分な資金を確保することが難しいことや社会実装までの距離が遠く,応用可能性の検討が困難であるといった課題があります。
そこで、基礎研究のようなスモールアイランド型の研究を加速するためには新しい仕組みを作る必要があると考えました。
作ったもの
研究室と企業のDAOを作るサービス「NFTForLab」を制作しました。DAOとはNFTでつながった共同体のことで、DAOの方針はその構成員が民主的に決めることができます。
このサービスでは、まず参加したい研究室ごとに決められたトークンを発行します。研究室と一緒に研究したい企業などは、サービスを訪れて研究室のページを閲覧し、気に入ったものがあればこの研究室のトークンを購入します。
研究室ごとにこのトークンを持った人しか入れないDiscordが用意されていて、こちらで購入企業とやりとりを行うということになります。
サービスのデモ動画を作成したので、ご覧ください。
現在の共同研究では大学と企業は1対1で関係性をつくっています。
これに対して、このサービスでは一つの研究室に対して複数の企業が関係性をつくることができます。これにより、データベースの共同化・産学連携の加速・小規模研究室におけるステークホルダーの拡大をもたらす可能性があります。
どのように作ったか
基本的にスマートコントラクトからフロントまですべて制作しました。
スマートコントラクトはsolidityで制作、一般的なNFTで使われるERC721規格ではなくERC1155規格を使用しました。ERC1155はERC20とERC721のハイブリッドにより、代替不可能なトークンに量の概念が追加されたものです。複数のトークンをまとめて送ったり一つのコントラクトで複数のトークンを扱うことが可能となります。今回のサービスでは研究室ごとにいくつかのトークンを発行する必要があったので、この規格が適していると判断しました。
フロントエンドはReactを使って実装を行いました。
参加しての感想
ブロックチェーンを使ってサービスを作ったのは初めてでしたが、単純な文法以外でも「ブロックチェーン」の概念そのものがなじみがなく、少し苦戦しました。最終的になんとか1つ形にすることができてよかったです。
入賞はできませんでしたがはじめてのハッカソンでいい経験が出来ました。また機会があればハッカソンに参加してみたいと思います。