世界奇妙図鑑 Welt Seltsame Abbildung
世界各地に残る奇妙な伝承・事象をテーマにした仕掛け絵本。テーマごとに3冊制作し、それぞれに異なる仕掛けを施した。
幽霊や呪い、あるいは妖精などの存在と出会った経験はあるだろうか? 残念ながら私にはない。しかし、そういった類の伝承は世界各地に存在している。このような不可思議な事象・現象には、存在が曖昧であるが故に人の興味を引く魅力がある。私自身もそういった人間のひとりである。
本作は、世界に伝わる不可思議な事象・現象と"しかけ絵本"を組み合わせて、その世界観の魅力を表現した。
シリーズ①不幸を招く品々
Unglucklich sein produkte
使用者を不幸にする曰く付きの品々というのは、意外にも多い。真偽は不明だが、とりわけ印象的なエピソードを持つ10品を収録した。とりあげた品々を印象的に感じさせることを目的に、開くと挿絵が立ち上がる仕掛けを合わせた。一見、何の変哲も無い道具たちの異なる表情を予感させる。
シリーズ②まじない・儀式の必需品
Magische und rituelle essentials
まじないや儀式という言葉から感じられる、秘匿的・神秘的なイメージを、影絵の仕掛けで表した。また、光を当てるという役割を読者に与え、実際に参加者という立場に引き込むことを狙った。
シリーズ③家に棲む精霊
Fee lebt im haus
どこの国でも言い伝わっている「妖精」。しかし、彼らを実際に目撃したという声はあまり聞かない。そんな妖精の特徴を、特定の条件下でしか見ることができない「蓄光」の仕掛けで表した。昼と夜で異なる挿絵が浮かび上がる。
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タイトルロゴ はんなり明朝+Luminari
欧文と和文で印象をそろえたかったため、既存のフォント同士を掛け合わせて制作。
絵本に収録した地図
収録したコンテンツが伝わっている場所に印をつけて使用した。展示時は、この地図を拡大印刷し、3冊すべての収録コンテンツの場所にピンを指して使用した。
『世界奇妙図鑑』
2018年 東北工業大学CD学科 卒業展示会 銀賞受賞作品