家具由来のマテリアルフローのBAUシナリオの把握
OVERVIEW
私たちが日常的に使っている家具について、都市全体におけるストックと買い替えに伴うフローの把握。家具のストックとフローを把握することが目的ですが、研究全体を説明すると冗長になるので、ここでは家具のストックを把握するため、アンケートから回帰分析を行った事例のみを紹介させて頂きます。
五年以上前になりますが、大学の卒業研究で家具27品目を1,000サンプル集めて、Excelにより11種類の属性に関して回帰分析を行いました。家具は棚、机、椅子、その他に大別され、各品目ごとに以下の属性で回帰分析します。回帰分析の目的は家具の所有台数と相関の高い属性を探し、原単位を求めるためです。
1. 回答者の個人年収
2. 回答者の世帯年収
3. 住宅内の部屋数の合計(部屋種類ごとのチェック項目を合計)
4. 住宅内の部屋数の合計(間取り回答,例2DK→3部屋)
5. 市中心部からの直線距離
6. 若年層割合
7. 高齢者割合
8. 戸建住宅の割合
9. 木造住宅の割合
10. 世帯人数
11. 延べ床面積
分析を行った結果、延べ床面積(6区分)と戸建住宅の割合(2区分)の決定係数が高かったため、それらを合わせた12区分ごとについて家具の所有台数の原単位を算出しました。原単位は、それぞれの区分ごとに家具の所有台数を一定と考えることで、1,000サンプルより求めた原単位から、都市の人口全体に当てはめて家具のストック量を算出します。決定係数を用いて属性を選び、原単位を算出することで、1,000サンプルのデータから得た傾向を、数百万の人口に当てはめて考えることができました。(了)