サメのカノン
その帆船は、悪食のサメに追われていた── 飢えたサメの要求に応えて、積み荷を船から落としていくリズムゲーム。穏やかなBGMと、絶体絶命の場面が対照的な不思議体験。
<プラットフォーム>
PC (Windows)
<ジャンル>
2Dリズムゲーム
<プレイ人数>
1人
<制作に使用したソフトウェア>
- Unity
- Visual Studio
- GitHub Desktop
- MuseScore
など
<制作人数>
5人(プランナー2人、デザイナー1人、プログラマー2人)
<ゲーム内容>
▼ ゲームプレイ映像 ▼
プレイヤーの乗る帆船が、巨大なサメに追われています。絶体絶命のピンチ!
お腹をすかせたサメは、船の積み荷を狙っているようです。サメの要求に合わせて、荷物をタイミングよく海に投げ入れましょう。
サメが要求する荷物は、木箱、宝箱、ツボ、袋の4種類。それぞれにコントローラーのX,Y,A,Bボタンが対応しています。
♪マークが通過するタイミングに合わせて、荷物に対応するボタンを入力できれば〇印がつき成功となります。タイミングがずれていたり、間違ったボタンを押したりした場合は×印が表れます。
<担当した作業>
- 企画
- プログラミング
- 楽曲データ作成
- 譜面作成
- 進行管理
<制作について>
このゲームは、Unity主催の「UAA Game Jam2023」で制作した作品です。「サウンド」をテーマに設定され、即席のチームで2日間のゲーム制作を行いました。
私はプランナー兼プログラマーとしての作業だけでなく、チームをまとめ、タスクの分担や進行管理を行っていきました。
今回のゲームジャムは1年生・2年生の後輩も参加するイベントだったため、プログラミング初心者でも作りやすいシンプルなゲームデザインに設定しつつ、「サウンド」や「ゲーム画面の見た目」で個性を出そうと考えました。「船がサメに追われている」「サメの機嫌を取るために荷物を食べさせる」という場面と画面イメージを最初に定めました。そして、この場面に「ゆったりとしたピアノ音楽を流す」ことで、「落ち着いた雰囲気と、絶体絶命の窮地のギャップによるおかしみ」を作り出そうと考えました。そのため、ゲームに登場するアセットも手書き風のものになっています。
<カノンだからこそ成立するシステム>
このゲームのBGMとして選択したのは、ヨハン・パッヘルベルのカノンです。この曲の特徴は、よく似たメロディを2セットずつ演奏しながら進行していくことです。
この「メロディの繰り返し」を「サメの要求」と「プレイヤーの入力」としてとらえることで、お題の提示・プレイヤーの操作を交互に行うターン制のようなリズムゲームが成立しました。
今回は「サウンド」がテーマとなるゲームジャムだったので、楽曲の特徴とシステムをリンクさせたゲームデザインはこだわりポイントです。
<プログラミングなどについて>
プログラミングについて、私は譜面表示・入力取得・正誤判定など、メインゲームにかかわる部分を担当しました。譜面のデザインは固定のものとなっています。
短時間で仕上げる必要があったため、譜面データの形式はUnityのデフォルト機能の範囲で完結するものにしています。
ScriptableObjectを利用して、インスペクターから譜面を設定します。実際の楽譜をもとにプランナーの方がノーツの順番を考えることになったので、16分音符を最小単位として小節を構成し、小節を複数つなげることで譜面を構成するようなデータ形式を設計しました。
そのほか、楽曲のテンポ(BPM)に合わせて船や波をアニメーションさせる機能も実装しました。手書き風のイラストと相まって、チルな雰囲気づくりに貢献できたのではないかと思います。
楽譜と音源のデータはMuseScoreで作成しました。この楽譜は仕様書としても機能しました。プランナーの方はこの楽譜に直接ペンで書き込みながら譜面をデザインしていましたし、上記のデータベースに入力する際にも読み取りやすい形式でした。
(五線譜をデザインした先人の偉大さを感じました...!)