◆OVERVIEW
Date|2019.04-2019.11
Type|卒業論文/芸術情報空間論ゼミ
Tools|Photoshop/Illustrator/Indesign/Rhinoceros/V-ray
Award|First Prize-Graduation Thesis in Architecture, Waseda University(2019)
Points|読んでいて楽しい雑誌のような論文を創りたかったので、体裁に注目していただけると嬉しいです。
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第4章(データシート含む) 最終章_結論考察 参考文献/謝辞
-Graduation thesis- (2019)
Dan Flavin Reseach
芸術家DanFlavinの蛍光灯作品に見る建築的空間創作手法
-corner, barrier,corridorの網羅的分析を通して-
Dan Flavin(1933-1996)( 以下D.Flavin とする) は、ニューヨーク、クイーンズに生まれ、生涯を通して母国であるアメリカで作品製作を行っていたミニマリズムのアーティストである。ミニマリズムとは1960 年にアメリカを中心に登場したアヴァンギャルドな芸術運動、もしくは芸術様式を意味し、代表作家としてWalter De Maria、Donald Judd、SolLewitt 及びRobert Morris、そしてD.Flavin が挙げられる。HudsonRiver派などの絵画の影響を受けながら、主に蛍光灯を用いた作品を製作する中で、建築とアートの乖離に疑問を呈していた。
D.Flavin が蛍光灯での作品創作を始めてから12 年経った1973 年、ミズーリ州にある歴史ある美術館St.Louis Museum での展覧会"corners barriers and corridors in fluorescent light from Dan Flavin" が開催された。D.Flavin はそれまでに計318 作品製作しており、徐々に創作する作品に傾向が現れ始めていた頃だった。一方でD.Flavin の作品はごく一部の作品を除いて、untitled.( 無題) であり、本人が作品に込めた意図などを作品名において特に言及していなかったことが伺える。この展覧会のタイトルにおける"corner, barrier, corridor" は、D.Flavin 自身がこの3つの形態を作品群として解釈をし、タイトルとなったものである。つまりこの"corner, barrier, corridor" は、蛍光灯の光を用いた作風であることから実際に展示される建築空間に対して相互の影響を念密に計画を行っているはずであるが、そうした視点からの既往研究は存在しないため、D.Flavin にとってsite-specific( 空間特有) の作品創作の指標の概念でもあった。
本論文は、D.Flavin が考える作品群"corner barrier corridor" を本人のドローイングとヒアリングからの明確な定義付け、分類を通して、作品単体の考察よりも空間概念である《corner》《barrier》《corridor》による知覚に対する建築的効果の分析考察を行い、D.Flavinが追求していた単純でかつ明快な体験的空間がどのようなものであったのかに着目し、明らかにするものである。
◆Process
・実測調査
(Mana Comtemporary での実測調査の様子)
・Dan Flavin全集 "The Complete Lights"を監修したTiffany Bell氏にインタビュー(@NY.2019.09)
◆空間分析
1-展示空間を実測して図面化.もう存在していない建物は原図を獲得しデジタル図面化.
作品配置/マテリアル調査
2-動線分析
3-空間再現モデリング(空間への光の影響を調査)
(1)Dia:Beacon First Space
(2)Dia:Beacon Second Space
(3)Mana Contemporary
(4)LeoCastelli Gallery
(5)DanFlavin Art Institute
(6)S.R.Guggenheim Museum
◆建築学会発表 梗概データ