キティちゃんしか知らない男子に告ぐ、新しいサンリオの広告戦略
2020年の第1回学生広告クリエーティブ賞で佳作に選出された作品です。 「特定の企業やブランドを1 つ取り上げて、市場拡大のための企画を考える」というテーマで取り組みました。
これはゼミでペアを組み、「きいろい灯り」として参加した、第1回学⽣広告クリエーティブ賞で佳作に選出された企画書です。
「特定の企業やブランドを1 つ取り上げ、市場拡⼤のための企画を考える」というテーマで、サンリオを対象の企業としました。サンリオは女性向けだと思い、市場拡大のため、男性をターゲットにし、男性からの親近感を得るため、対象のキャラクターを、男の子キャラクターが結成された”はぴだんぶい”にしました。
実際に男性のアンケートをとり、そもそも男性からの認知度が低いことが発覚したため、はぴだんぶいを用いた、男性認知度向上のためのコンテンツを2つ企画しました。
また、思わずやってみたくなるコンテンツが目標のため、コンテンツには必ず新しさを取り入れました。
コンテンツ① ギフトブランド
実際にアンケートをとった際に、「サンリオは女性向けだから触れようとすら思わない。」と言う声があったため、それを逆手にとり、"女性から男性へ"あげたくなるようなギフトブランドを企画しました。
日常生活でも使える、さりげないデザインを
このように近年若者ファッションの中で流行っているバックプリントのみにキャラクターのイラストを使いました。
色は黒や白など、着やすい色をベースにすることで、普段使いしやすいデザインを意識しました。
海外では当たり前?!ギフトレシートの導入
多くの方に利用してもらうために、他にはない「ギフトレシート」を導入しました。
ギフトレシートとは米国などで取り入れられているもので、値段は記載されていないレシートで、このレシートともに贈り物を相手に渡すと、もし相手が気に入らないものやサイズが合わない場合はギフトレシートを使い、交換などができるものです。
このサービスを導入することで、より多くの方に利用したいと思ってもらえるようなギフトブランドを目指し、男性にプレゼントを送る際の新たな選択肢になるようにしました。
コンテンツ② ゲームアプリ
このコンテンツでは、男性が自ずと、または友人に勧められてやりたくなってしまい、面白いとハマるうちに、気づいたらサンリオに触れている状況を作ろうと、近年世界的に流行している、FPS視点シューティングゲームという、操作するキャラクターの視点でプレイするゲームの企画を立てました。
女性らしさは払拭しつつ、「参加」で親近感を
女の子らしく、優しい世界というイメージを覆すかのようなFPSゲーム。
女性らしさを払拭する仕掛けと、参加することを意識したゲーム設定で、知らず知らずキャラクターに愛着を持ち、サンリオに触れてしまうようにしました。
ゲーム設定
・ストーリー
キャラクターで溢れかえった世界。"はぴだんぶい"のメンバーは人気が欲しくなってしまいます。僕こそは!俺こそは!と思うメンバー達は自分を増やせば自ずと人気も出てくるのでは?そうだ、世界中を自分でいっぱいにしてしまおう!と思ってしまいます。自分を世界中に増やすため、相手を自分にしてしまう魔法をもったメンバーは仲間を集めて戦いを始めます。
以上が主なストーリーです。企画書には記載されていませんが、このストーリーの、攻撃は魔法で、攻撃を受けると攻撃してきたキャラクターになってしまうという、従来のFPSシューティングゲームにはない、可愛らしい設定も他のゲームと差をつける仕掛けです。
「参加」して愛着を高めるギルド
このゲームでは必ずギルドに所属しなくてはなりません。ギルドマスターはそれぞれ"はぴだんぶい"のメンバーが務め、所属したギルドのキャラクターを増やすため、プレイヤーは戦うのです。
ギルドとギルドマスターの関係は深く、ゲームの様々な面で大きく影響を与えてきます。
- ギルドマスターは戦闘中に3Dモデルとしてプレイヤーのサポートをします。
- ギルドマスターがモチーフとなった、武器や防具を使用すると効果が上がります。
- ギルドにはギルドマスターに応じた効果があります。
例えばバッドばつ丸のギルドに所属すると、プレイ中のゴールド獲得率が上がるなど、ギルドマスターのプロフィールに因んだ効果があります。
このギルドとギルドマスターの関係により、サンリオキャラクターを知らなかったプレイヤーもギルドマスターを認知、ゲームやギルドマッチに参加することで愛着を高めていくようにしています。
また、ギルド名は男性でも気に入るように、かっこよさとギルドマスターのプロフィールに因んだ名前です。
例えば、バッドばつ丸のギルド「Bad trickster」→名前のバッドと、いたずら好きであまのじゃくという性格を、海外の神話でいたずら好きで天邪鬼な行動をとる者として描かれる、tricksterと掛け合わせました。
タキシードサムのギルド「Malicious peers」→タキシードサムは由緒ある家柄出身で、イギリス留学経験もあり、おしゃれというキャラクターなので、高貴な知的なイメージにしました。
Maliciousは悪意のあるという意味で、かっこよさやバトルの中で狡猾に戦い抜くというイメージです。peersは仲間という意味ですが、議員という意味でも使われる言葉で、高級感や知性を表し、狡猾に戦う知性をもった仲間達というイメージで名付けました。
このように、FPS視点シューティングゲームという世界的に大流行している新しさ、従来のサンリオのイメージとは違う新しさを取り入れ、その中のストーリーにも新しさを取り入れること。
参加するギルドとギルドマスターという深い関わりの中で、自然と認知度をあげ、キャラクターへの愛着が沸くように仕掛けました。
この2点を意識することで、自ずとハマってしまうように仕上げました。
女性から男性へ 男性が自らやってみたくなる
このようなコンテンツを企画し、そのコンテンツ自体人気を獲得することで、結果的にサンリオの事業拡大のための広告としても利用できるような企画を立てました。