適法!日本酒醸造シミュレータ(IVRC2022)
日本酒は国内外で注目されていますが、その醸造法は一般的にあまり知られていません。家庭内での再現は酒税法違反に該当するため、私はチームで日本酒造りをVR空間で多感覚的に体験できる作品を制作しました。
<作品について>
日本酒は古来より日 本で造られている固有の酒であり、世界中のどの酒とも 異なる独特な方法で造られています。その独特な製造方法 によって生み出される奥深い味わいによって、日本酒は 国内だけでなく海外においても高い人気を誇っており、伝統的酒造りを登録無形文化財に登録する動きまで出ています。このように多くの人々を魅了する日本酒ですが、その製造方法についてはあまり知られておらず、日本人であっても明確に理解している者は少ないです。 日本酒の製造過程には、「もろみ造り」という重要かつユニークな, 五 感を活用する工程があるのだが, 一般家庭でその「もろみ 造り」を再現しようとすると酒税法に違反してしまうため, 実際に体験することは非常に難しい. そこで, 私たちは VR を駆使して普段経験できない「もろみ造り」を再現し, 日本酒への理解と愛を深められるコンテンツを制作しました。こちらの作品はIVRC2022で展示され、総合優勝とGREE賞として評価していただきました。
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IVRCの結果
作品の企画書(上)と学会用資料(下)
企画の概要を説明する動画は以下のURLから閲覧できます。
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<デバイス制作>
チームでシステム、ハード、無線に役割分担し、私はハードを担当しました。日本酒造りの過程には原料を混ぜる工程があり、体験者に流体を混ぜる独特の感覚を提供する装置が必要でした。そこで、私はジャイロ効果を利用して力の方向と大きさを細かく制御できる機構を設計し、日本酒の原料を混ぜる感覚を再現しました。
3DCAD上で設計したデバイスの全体像と実際の写真は以下の通りです。上部の棒状の部分が体験者が握る部分であり、下部のジンバルと円板が回転することでジャイロ効果が発生し、意図的に力を生み出すことができます。
白いジンバルは緑の矢印の方向に回転し、内部の白い円板は青い矢印の方向に回転します。円板の円周付近が重いほど回転時の力が大きくなるため、円周付近におもりを固定することでなるべく大きい力が発生できる工夫を施しました。